中医学からみた美容

中医学・漢方学

こんにちは。
体のめぐり調整師、草野ゆかりです。

みなさん、肌トラブルはありませんか?
季節によって化粧水がしみたり、痒みがでたり、吹き出物が出たりはしませんか?

私は中学生のころ~20代前半まで、長い間ニキビに悩まされてきました。
大人は、青春のシンボルみたいな扱いをしていましたけれど、多感な時期の本人にとっては死活問題でした。

ニキビ肌用の洗顔料や化粧水を使い、皮膚科を受診し、ビタミン剤や塗り薬を処方されても、ほとんど効かなかったのです。
甘いものもなるべく控えていたのに一向に良くならず、大人になれば自然と良くなるだろう、と半ばあきらめた気持ちで青春時代を送っていました。

これほど世に化粧品やサプリメントが溢れているにもかかわらず、悩んでいる人が常に絶えないのはおかしいと思いませんか?!
「肌は内臓を映す鏡」と言いますが、健康であれば肌も美しいということですよね?

病気でもないし、特に悪いところも感じないのに、改善しない肌トラブル。。。
中医学を学び、その原因がわかりました。
原因は体の奥の、五臓にあったのです。

「肌は内臓を映す鏡」を中医学的にみて、肌トラブルの解決に近づけるようお話していきたいと思います。 

中医学では全体をみていく

例えば、自分の体が1本の木だとして枝の一部が病気になったとすると、西洋医学では徹底的にその枝の部分を診て治療します。
中医学では、木全体を診ていきます。患部の枝はもちろん、幹や葉、土、水や周りの環境すべてを診ていきます。

では、肌トラブルを改善し
綺麗な美肌を作るにはどうしたらいいのでしょうか?

美肌を作るには4つの条件があります。

皮膚の栄養が充実している
全身を健全に保っている
血液の循環が良い
精神が安定している

顔や肌の部分的なことだけでなく、体のすべてをみていますよね。

肌質は五臓の状態を反映したもの=肌は内臓の鏡

となるわけなんです。

この内臓とは、中医学の「肝・心・脾・肺・腎」の五臓のことで、西洋医学の心臓・肝臓の働きとは必ずしも一致しません。

五臓のどんな働きが、肌にどんな影響を与えるのかを順番にみていきましょう。

 

五臓の『肝』と美容

『肝』の働きは「気」の流れの調節と「血」を貯蔵する働きをしています。
「気」の調整は情緒を安定させたり、胃腸の働きを正常に保って消化吸収の働きを助けています。

『肝』の働きが悪くなると・・・

・イライラする
・消化吸収が悪くなる
・憂うつになる
・胸や脇腹が張る
・疲れ目、ドライアイ
・爪が割れやすくなる
・不正出血

などの不調があらわれます。

『肝』が正常に動くには、肝自身が十分な血液によって満たされていることが必要です。
肝は月経や目、爪、肌の潤いにも関係していて、中医学には「女性は肝を先天する」という言葉があり、『肝』は女性の美しさに大きく関係します。

また、爪の栄養は主に『肝』から受けています。
『肝』が良好であれば、目は輝き、爪はふっくらとして艶があり、肌のキメも良くなります。

 

五臓の『心』と美容

『心』の働きは脈の中を流れる血液を動かし、全身にめぐらせたり、精神・思考活動を司っています。
血液を全身にめぐらせる働きで体の隅々まで栄養を届け、良好な精神状態を保つことができます。

『心』の働きが悪くなると・・・

・肌の艶がなくなる
・不眠
・口が苦い
・落ち込みやすい
・できものが出る

などの不調があらわれます。

「心の華は顔面にある」と言われ、血が通って艶やかであれば美しく見えます。
『心』の気・血が不足すると、肌を潤すことができなくなって顔色も白くなり艶がなくなります。

健康的な美しさの条件として、精神状態も良くなければなりません。
『心』が良好であれば、精神状態も健康であり、
顔色も生き生きとし、外見も美しくなることができます。

五臓の『脾』と美容

『脾』の働きは食べたものを運び消化吸収すること、「気」「血」の製造の源で、全身の健康維持に大きく関わっています。
飲食物から「気」「血」を作り出し、水分も『脾』の働きによって体内をめぐって排泄されます。

『脾』の働きが悪くなると・・・

・便秘
・口臭
・ニキビ
・たるみ
・唇の荒れ
・倦怠感

などの不調があらわれます。

肥満、皮膚のハリ、顔色、唇の色とも密接な関係をもっています。
『脾』が良好で「気」「血」が充実していることが健康美には必須になります。
美しい肌になるためには脾胃(胃腸系)の働きを高めなければいけません。

 

五臓の『肺』と美容

『肺』の働きは呼吸と「気」を司り、バリア機能を張りめぐらせています。
また、肌に栄養を送る働きもしているので、『肺』が弱ると十分な栄養が届けられず、潤いがなくなり老化の原因となります。

『肺』の働きが悪くなると・・・

・アレルギー
・ニキビ
・皮膚の乾燥
・シワ
・痰
・寝汗

などの不調があらわれます。

「肺は皮毛を司る」と言われ、肌にいちばん影響をあたえる臓器です。
『肺』が良好であれば、肌に栄養を十分に送ることができ、毛穴が引き締まり、潤いを保つことができます。

五臓の『腎』と美容

『腎』は生命活動のエネルギー源となる「精」を貯蔵している場所です。
「精」は成長・発育・生殖を担っています。
また、『腎』は「水」を司っていて、水分代謝や調節を行っています。

思春期になると『腎』の気が旺盛になり、性機能も成熟し、五臓の働きも活発になります。
老いていくと、『腎』の「精」も少なくなり、生殖能力が衰え、見た目も腰や背中が曲がりシミ・シワも増えていきます。
老化のスピードを緩めるには『腎』のケアが欠かせません。

『腎』の働きが悪くなると・・・

・冷え
・物忘れが多い
・足腰がだるい
・むくみ
・皮膚の乾燥

などの不調があらわれます。

『腎』が良好であれば、老化のスピードをゆるめ、シミやシワを防ぐことができます。
また、「腎の華は髪にある」と言われていて、豊かで艶やかな髪を保つことができます。

 

まとめ

このように、どの臓器をとっても肌と深い関係があります。
気・血・水や陰陽と同じように、バランスが大事となります。

中医学で体質は、
自然環境・社会環境・家庭環境
個人の心理・病気・食事
など様々な影響をうけて出来上がるとされています。
他に、薬の服用や肌につける化粧品などから影響を受けることもあります。

しかし、体質は変わらないわけではありません。
逆を言えば、これら影響を及ぼすものを変えていけば体質を変えていくことができます。

まずは、自分の弱い部分(五臓)はどこなのかを知ることが大事になります。

その上で、環境や生活習慣を見直し
美しい肌を手に入れていきましょう。

美しい肌になるということは、心も体も健やかであるということなのです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、また~
おさらばいたします。

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