五臓の働きと養生

中医学・漢方学

こんにちは。
体のめぐり調整師、草野ゆかりです。

前回、中医学からみた美容という事で、美容と「肝・心・脾・肺・腎」の五臓の関係についてお話させていただきましたが、今回はその五臓のケア、養生法についてお伝えしていきたいと思います。不調のときは(前回記事と併せて読んでいただき)、ケアして改善していけるようになっていけると思いますので、自分に必要な項目からでも目を通していただければと思います!

中医学での五臓の働きは、西洋医学の働きとは異なるところもあり、精神活動まで含まれますので面白いですよ~。

五臓の『肝』について

【肝の働き】
◎木の性質をもつ『肝』は、樹木がのびのびと枝を伸ばして成長するようにしてあげると良いとされています。肝の働きが正常であれば、気血が体のすみずみまでめぐり、血や栄養・体液を行きわたらせて、精神面でも安定した状態を保つことができます。

①気血の流れをスムーズに行きわたらせる働き
②血をためる働き
血をためておくだけではなく、血量をコントロールするという働きもあります。
十分な量の血を、必要な量だけ送り届けることによって生理機能が滞りなく動き、全身に潤いを与えることが出来ます。

【肝の働きが不調になると】
・イライラして怒りっぽくなる
・眠りが浅い
・腹が張りやすい、ガスやゲップがよくでる
・目が疲れやすい、充血しやすい
・爪が割れやすい
・顔にシミが多い
などの不調があらわれます。

【肝の養生】
●午後11時までには寝ましょう。
新鮮な血が貯められる『肝』の時間は、深夜1時~3時。『肝』とペアの臓腑である「胆」の時間が午後11時~午前1時です。その時間にきちんと体を休ませて血をためる働きが行われるように午後11時には就寝しましょう。
●『肝』の働きを妨げるものは「ストレス」「過労」「睡眠不足」です。
できるだけのんびりとリラックスして穏やかに過ごすように心がけましょう。
●思いついたら深呼吸を!
新鮮な空気を取り入れる深い呼吸は「気」のめぐりを良くします。

【肝におすすめの食材】
・セロリ・春菊・シソ・ミントなど香りの良い野菜、柑橘類
 小松菜、ほうれん草、アサリ、シジミ、タコ、イカ、マグロ

五臓の『心』について

【心の働き】
◎火の性質をもつ心は、燃えやすい、上昇しやすいという特徴をもっています。
『心』は、五臓を調和させ、まとめてくれています。その働きは生理機能だけではなく、人間の感情や思考、意識、判断力、記憶力といった精神活動も含みます。

①血を全身に送り出すポンプの働き
②精神・思考・意識を司る

【心の働きが不調になると】
・動悸、息切れ
・不安になる
・寝つきが悪い
・イライラしやすい
・のぼせて顔が赤くなりやすい
・口がよく渇く
などの不調があらわれます。

【心の養生】
●体の中の熱を発散させるために、適度に汗をかく
●夜は体も頭も休めて、十分に睡眠をとる
●神経の使い過ぎは『心』を消耗させてしまうため、ゆっくりお風呂に入ったり自分なりの気分転換をする

【心におすすめの食材】
・ゴーヤ、ミョウガ、レンコン、小豆、緑豆、らっきょう
 スイカ、キュウリ、なつめ

 

五臓の『脾』について

【脾の働き】
◎土の性質をもつ『脾』は、生成する、変化するといった特徴をもっています。

①食べたものから栄養を取り出し、「気・血・水」に変えて運びだす働き
②血が血管から漏れ出ないように統制して全身に循環させる働き
③内臓や肌、筋肉を持ち上げる働き

【脾の働きが不調になると】
・下痢、軟便
・食欲不振
・鼻血、不正出血
・むくみ
・体がだるい、疲れやすい
・唇があれやすい
・口内炎、口角炎ができやすい
などの不調があらわれます。

【脾の養生】
●『脾』にダメージを与える、冷たいもの・脂っこいもの・味の濃いもの・甘いものを避ける
●腹八分目で、消化の良いものをよく噛んで食べる
●昼は「陽」を養うためよく活動し、夜は「陰」を養うため体を休める

【脾におすすめの食材】
・とうもろこし、かぼちゃ、大豆、イモ類、キノコ類、イワシ、カツオ

五臓の『肺』について

【肺の働き】
◎金の性質をもつ『肺』は「水」を集めるという特徴をもっています。

①古い「気」を吐き出し、新鮮な清気を取り入れて、「気」の入れ替えをする働き
②体内の「水」を動かし、「気」や「水」を全身のすみずみに運ぶ働き
③バリア機能で外敵から体を守る働き

【肺の働きが不調になると】
・便秘
・肌がカサカサしやすい
・咳や痰
・鼻水、鼻づまり
・多汗
などの不調があらわれます。

【肺の養生】
●朝起きたら、部屋の空気の入れ替えをし、深呼吸で清気をたっぷり吸いこむ
●乾燥は『肺』を痛めるので、湿度に気を付ける
●お通じを整える

【肺におすすめの食材】
・白菜、アスパラガス、ぎんなん、ゴボウ、白きくらげ
 松の実、豆乳、豆腐、梨

五臓の『腎』について

【腎の働き】
◎水の性質をもつ『腎』。
最終的に「水」が運ばれる場所で、利用できない不要な水は尿として排出されます。

①生命活動の源である「精」を貯蔵する場所
②全身の水分代謝
③体や臓腑を温める働き

【腎が不調になると】
・物忘れが多い
・腰痛
・白髪、抜け毛
・何もやる気がおきない
・尿が近い、または出にくい
などの不調があらわれます。

【腎の養生】
●冷えに弱い臓器なので冷えに注意する
●足腰の筋力で『腎』を支えているので、足腰を鍛える
●疲労をため込まず、しっかり寝て体を休める

【腎におすすめの食材】
・黒豆、昆布、黒ゴマ、山イモ、エビ、ウナギ、ホタテ
 豚肉、栗、クルミ

まとめ

五臓のどこか一つがバランスを崩しても、連鎖していきます。
逆に、働きの弱いところを正常にしてあげると、他の機能もよくなります。
自分は今、どんな不調が出ていて、どこが弱っているのかがわかると、食べ物や養生で改善できることが多いんです。

五臓から、身体・肌・精神まで整えられるって、すごいですよね!!
ぜひご自身の体や、大切な人のケアに取り入れてみてくださいね。
続けることで実感できると思います!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、また~
おさらばいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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