こんにちは。
体のめぐり調整師、草野ゆかりです。
すっかり暖かくなってきましたね。
桜の開花も目前です。
なんとなく、そわそわ、ウキウキしている方も多いのではないでしょうか?!
今回は、春の過ごし方・養生のお話をしていきたいと思います。
養生とはいったい何でしょうか・・・?
養生とは病気になる前の予防。
簡単に言えば、「転ばぬ先の杖」です。
その教えは2000年以上も前に、中国の医学の古典「黄帝内経」に書かれています。
一つ前の記事「東洋医学って何ですか?」でお話させていただきましたが、
もともとは自然界から得た知恵を体系化していった学問ですので、季節に合わせて過ごすことが基本となります。
その古典「黄帝内経」に書かれていたことをベースにしてお話していこうと思います。
中医学での春とは
春は「発生」(はっせい)といって古いものから新しいものが生まれる季節です。
あらゆるものが芽吹いて、成長していきます。
ですので、何かをはじめたり、チャレンジするのにピッタリの季節なんです。
春は、陰陽五行の木・火・土・金・水に当てはめると「木」に属しています。
木は・・・
・枝葉を伸ばすようにのびのびとゆったりとする
・葉が風に揺れるようによく動き、変化する
という性質をもっています。
そして春は、肝・心・脾・肺・腎の五臓でいうと「肝」の季節でもあります。
五臓の「肝」を木の性質のように、のびのびさせてあげるといいですよ、という解釈です。
肝をのびのびさせてあげる、ということを具体的にお話していきます。
具体的な春の過ごし方
先ほど述べた医学の古典「黄帝内経」に春は
・少々夜更かしをしても良いが、朝は早く起きる
・朝、ゆったりと庭を散歩する
・髪も服装もゆったりとする
・身体をのびのびと動かそう
・いろいろやろうとやる気を出すのがよい
・やる気がなくなるようなことは思わない
・人を威圧したり罰したりしないよう心がける
これらが出来ないと、夏になって不調がでる。
と書かれています。
木の性質と同じく、「成長、のびのび、ゆったり」がポイントとなります。
春には、動物が冬眠から目覚めるように、人間も新陳代謝が活発になり、
眠っていた細胞も動き出して、体内に溜まった不要なものを出そうとします。
その時に働いてくれるのが
五臓の「肝」です。
「肝」の主な働きは
・血を蓄える
・体の中を流れるもの(気血水)をスムーズにめぐらせるようにコントロールする
があります。
中医学では「血」は、精神を安定させる働きをもっていると考えるので、
「肝」が血を蓄えられないと、情緒不安定になったりします。
肝には「木」のように、上に上に伸びていく性質を持っているので、
特に、木が育つ春には気持ちも上にあがってしまい、
そわそわしたり、ウキウキしたり感情が高ぶりがちになります。
また、春は気温や気候の変化とともに、新しい生活がはじまること人も多く、そうした環境の変化がストレスになることがあります。
ストレスの影響をダイレクトに受けるのが「肝」なのです。
ストレスの他には過労や睡眠不足、目の使い過ぎで「肝」の働きが悪くなります。
肝の働きがスムーズにいくように生活すると、快適に過ごせます。
逆に「肝」の働きを妨げるような生活を送ると身体は不調を起こします。
また、「肝」は風を嫌います。
風の邪気「風邪」にやられると、
・めまい
・頭痛
・痙攣
・かゆみ
などを引き起こします。
身体の上部に現れやすく、
木の性質のように「揺れるようによく動き、変化する」
のが特徴です。
風邪は首にあるツボから入って病を引き起こしますので
首にはスカーフやストールなどで覆って外出時には風から首を守りましょう。
これらのことに気をつけて「肝」をのびのびとさせて養ってあげましょう。
春におすすめの食材
「肝」の働きを高めるためのおすすめの食材をご紹介しておきます。
【血を作るもの】
牡蠣などの貝類・カツオ・ブリ・イカ
人参・小松菜・ほうれん草・しめじ
赤身の肉・レバー・卵
黒豆・黒ゴマ・ひじき・なつめ
など
【気・血をめぐらせるもの】
シソ・春菊・セロリ・パクチー・玉ねぎ
柑橘類・カモミールティー・ジャスミン茶
など
また、春は自然界の陽気の高まりにより、活動的になれるのですが、のぼせやソワソワしたりにもなりがちです。
これは「肝」の働きが過剰になってしまっている状態です。
働かなくても、過剰すぎてもダメで、バランスをとっていることが大事なんです。
そんな時には鎮静させてくれる「苦味」の食材をとると良いです。
【苦味のもの】
ゴーヤ・セロリ・苦味のある山菜
ミント・緑茶
など
辛味のものは血(潤い)を消耗させてしまうので控えてください。
春におすすめのアロマ
イライラ、鬱々としている方にはアロマがおすすめです。
自分の好きな香りでかまいません。
お部屋で焚いたり、ハンカチに数的たらして香りを楽しむのがおすすめです。
特に良いのはベルガモット
鬱々とした気分を晴らしてくれたり、心を落ち着かせたりしてくれます。
ただし、光毒性があるので、直接つけて紫外線に当たると皮膚にダメージを与えるので、
夜に使ったり、アロマストーンなどを使用して楽しんでください。
春の養生のまとめ
・ゆったり、のびのびがポイント。
・目を使いすぎたり、ストレスはためないように。
・首は守ろう。
・香りのよいものや血を作る食材を食べる
・アロマならベルガモット
いかがでしたでしょうか?
春にちょっとウキウキしたり、感情が高ぶってしまうのは春という季節のせいです。
季節に合わせた養生で上手に楽しく過ごしていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また~
おさらばいたします。
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